【楽曲解説】sumika「ホワイトマーチ」歌詞の意味は?/"JR SKISKI"CMソング

こんにちは!毎日寒い日が続いていますね。

2月に入りましたが、今年はもうウィンタースポーツに行きましたか?^^

自分はスノボが大好きで毎年行っているのですが、今年は例年と比べるとあまり行けておらず…。まだまだシーズンは2カ月ほどあるので、ここから挽回したいと思います。

 

さて、ここ数年間、毎年話題になっているのがスキー・スノボシーズンのJR東日本のキャンペーン"JR SKISKI"です。毎年、話題のアーティストとコラボしながら胸キュンなコピーで「スキー場行きたい!!」という気持ちにさせてくれるあれです!

 

今年、主題歌に起用されたアーティストは、10代・20代の若者中心に大人気のロックバンドsumika曲名は「ホワイトマーチ」ということで、いつもポップで爽やかなsumikaサウンドがキャンペーンにどのような色を添えるのか注目です!すでにCMは流れているので、ご覧になった方もいるかもしれません。

 

「ホワイトマーチ」は2/1から配信開始しています。配信したてのこのタイミングで、曲の聴きどころを書いてみたいと思います!

 

1. 近年の"JR SKISKI"キャンペーンを振り返ってみた

曲の説明に入る前に、今回「ホワイトマーチ」が主題歌に起用されたキャンペーン"JR SKISKI"について触れておきたいと思います。

 

"JR SKISKI"は、JR東日本が1991年から実施するキャンペーンです。JR東日本が運営するスキー場「ガーラ湯沢」及び自社沿線の各地に点在するスキー場への集客キャンペーンとして開始されました。1990年代・2000年代はキャンペーンは実施されたりされなかったりでしたが、2010年代に入り若年層をターゲットに、人気の俳優・女優とアーティストを起用したCMが頻繁に放映されるようになっています。

 

毎年、"JR SKISKI"で主題歌に起用されるのは、日本の音楽シーンで最注目のアーティストと言ってもよいと思います。(SEKAI NO OWARIは「スノーマジックファンタジー」が主題歌に起用された直後の2014年に、「Dragon Night」で紅白歌合戦に初出場。back numberも「ヒロイン」でタイアップをしたその年に5thアルバム『シャンデリア』が初のオリコンチャート1位を獲得しています。)sumikaの人気や期待度の高さが分かりますね!

 

◆各シーズンのキャンペーンのコピー・主題歌・出演(2010年以降)

 ・2012 - 2013

コピー:『青春は、純白だ。』

主題歌:GReeeeN「雪の音」

出演:本田翼・窪田正孝

・2013 - 2014

コピー:『ぜんぶ雪のせいだ。』

主題歌:SEKAI NO OWARIスノーマジックファンタジー

出演:川口春奈・柳俊太郎

・2014 - 2015

コピー:『答えは雪に聞け。』

主題歌:back number「ヒロイン」

出演:広瀬すず村上虹郎・宇治清高

・2015 - 2016

コピー:『そこに雪はあるか。』

主題歌:MAN WITH A MISSION「Memories」

出演:山本舞香平祐奈北村匠海

・2016 - 2017

コピー:『冬が胸に来た。』

主題歌:[Alexandros] 「SNOW SOUND」

出演:桜井日奈子宮沢氷魚

・2017 - 2018

コピー:『私を新幹線でスキーに連れてって』『いつもと違う冬も、いいもんだ。』

主題歌:松任谷由実「BLIZZARD」

出演: 原田知世三上博史(アテレコ)

・2018 - 2019

コピー:『この雪には熱がある。』

主題歌:sumika「ホワイトマーチ」

出演:松本穂香伊藤健太郎

 

学生時代からこのCMを見ると、今年もシーズンが来たな!とテンションが上がります。CMは「ひと冬の恋」を連想させるような胸キュンなシーンがあり、そこも見どころですね。2018 ‐ 2019のCMは、個人的に胸キュン度合いが結構高いと思います!(笑)

 

youtu.be

 

2. sumikaについて

さて、sumikaについて知らない人のために、どんなバンドなのかを簡単に説明しちゃいます!

sumika」は2013年5月に結成された、神奈川県川崎市出身の4人組バンドです。

 

sumika

sumika

メンバーは、写真左から黒田隼之介(Gt/Cho)・小川貴之(Key/Cho)・片岡健太(Vo/Gt)・ 荒井智之(Dr/Cho)。 

2013年5月に、sumikasumika[camp session]を結成後、10月に1st Mini Album『新世界オリハルコン』を発売。2017年7月12日 1st Full Album『Familia』をリリースし、2018年にSony Recordsよりメジャーデビュー。2019年3月13日に2nd Full Album『Chime』の発売を控える。

全国ツアーやロックフェスの出演を精力的に行い、10代~20代の女性を中心に支持を集めるポップロックバンド。

 

sumikaの魅力は、何とも言えない「やさしさ」だと思います。メンバーの作りだすメロディやライブを聴くと、そばに寄り添ってくれるようなアットホームさを感じるんですよね。

アコースティックも取り入れた音作り、家をイメージさせるバンドロゴや温かいライブMCなど、変にカッコよすぎず背伸びしすぎず疲れず、気楽に楽しめる音を鳴らしてくれています。

 

sumika OFFICIAL WEB SITE

www.sumika-official.com

 

YouTubeで2500万回以上再生されている代表曲「Lovers」

www.youtube.com

 

3. 「ホワイトマーチ」の歌詞の意味は?

前置きが長くなりましたが、いよいよここから「ホワイトマーチ」の歌詞について見ていきたいと思います。

 

▼「ホワイトマーチ」歌詞

sumika「ホワイトマーチ」

詞:片岡健太/曲:黒田隼之介

 

張り固まった道歩き 呼吸もうまくできない
深呼吸をすれば肺も 固まるようなこの街
文句ばかりを垂れ流し そのくせ足並み気にし
白い息を羨んでは「染まるもんか」と街を飛び出した


とびきりに白い場所を探し求め
たどり着いた0地点で 確かめたい熱を


息が止まるまで 駆け出したい
意気地ない弱虫 かき消すように
まだ白い雪に残したい
溶かすような足音 響かせるように


白い地点のキャンパスは
まだ誰のものでもない
汚れかけた靴は捨てて
真新しい靴に紐を通した


慣れてない靴の形に馴染ませ
流れてた少しの血すら
愛おしく思えるんだ


忘れかけてた喜怒哀楽なら
まだ思い出せるはずだろ
子供の頃に踏んでた無邪気な街は生きてる


息が止まるまで 駆け出したい
意気地ない弱虫 かき消すように
真っ白い雪に残したい
溶かすような足音 響くように


息を止めて今 駆け出したなら
まだ白い雪に足跡
明日の弱虫 溶かしてくように
自由の足音 響かせるように

 

【1】1番Aメロ

張り固まった道歩き 呼吸もうまくできない
深呼吸をすれば肺も 固まるようなこの街
文句ばかりを垂れ流し そのくせ足並み気にし
白い息を羨んでは「染まるもんか」と街を飛び出した

道の舗装された都会の中では、毎日の生活に肺が固まるような「息苦しさ」を感じます。いつの間にか、口を開けば文句を言うようになり、それでいて他人が気になっては虚しい気持ちになり…。いろいろな気持ちにとらわれくすんだ自分に対し、冬の息の白さがうらやましく感じ、都会の生活に染まらぬよう街を飛び出します。

 

【2】1番Bメロ

とびきりに白い場所を探し求め
たどり着いた0地点で 確かめたい熱を

真っ白な場所に行きたくなって、一面の銀世界へとたどり着きます。 そこは、何にも染まっていない「0地点」。冷たい雪に囲まれながら、自分の中にある熱を確かめようとします。

 

【3】1番サビ

息が止まるまで 駆け出したい
意気地ない弱虫 かき消すように
まだ白い雪に残したい
溶かすような足音 響かせるように

 降り積もった雪の中に、駆け出して、自分の中にある弱い気持ちをかき消してしまいたい。そして、何にも染められていない真っ白な雪に、今を生きる自分の足音を残したいという気持ちが歌われています。

 

【4】2番Aメロ

白い地点のキャンパスは
まだ誰のものでもない
汚れかけた靴は捨てて
真新しい靴に紐を通した

 真っ白な雪の世界は、誰にも踏み荒らされていない、誰のものでもない場所です。だからこそ、都会に生きる自分が使い古した汚れた靴ではなく、何にも染まっていない真新しい靴を履きたくなるのです。

 

【5】2番Bメロ

慣れてない靴の形に馴染ませ
流れてた少しの血すら
愛おしく思えるんだ

 真新しい靴を履いて靴擦れで流れた血。新しい世界に自分が「生きている」ことを感じて、愛おしく思えるのかもしれません。

 

【6】Cメロ

忘れかけてた喜怒哀楽なら
まだ思い出せるはずだろ
子供の頃に踏んでた無邪気な街は生きてる

 無邪気に雪の中を駆け巡る中で、忘れかけていた"喜怒哀楽"という「素直な気持ち」に気づきます。そして、子供の頃に毎日生きていたはずの「無邪気な街」(=息苦しさを感じることのない、無邪気な毎日)を思い出すのです。

 

【7】ラスサビ

息が止まるまで 駆け出したい
意気地ない弱虫 かき消すように
真っ白い雪に残したい
溶かすような足音 響くように


息を止めて今 駆け出したなら
まだ白い雪に足跡
明日の弱虫 溶かしてくように
自由の足音 響かせるように

 真っ白な雪の中で駆けだして、誰も踏みしめていない中に自分で足跡をつけていきます。その足跡を見ながら、毎日の中に巣食う弱虫は捨て、自分らしく自由な足跡をつけていこうと思うのです。

 

この曲のポイントは、雪の「白さ」といろいろな感情にがんじがらめになっている自分の「黒さ」が対になって描写されているところだなと思っています。一面の真っ白な雪に飛び込むことで、汚れた自分が浄化され、徐々に白くなっていく。忘れていた純粋な気持ちを、雪の世界は思い出させてくれるのです。

 

4. sumikaの曲は"コトバ"に注目してみてほしい

余談かもしれませんが、sumikaのつくる曲の歌詞における魅力の一つに、比喩・描写のうまさがあります。事実をそのまま表現するのではなく文学的に表現することで言葉に深みを持たせたり、情景描写にレトリックを用いて聴き手の自由な想像を許す余地を与えたり。是非、それぞれの曲で"コトバ"に注目して聴いてみてほしいです!

 

例えば、先ほど紹介したLoversの以下の一節が、自分は非常に好きです。 

涙の理由を整理したくて
B5の紙に書きだしてみたんだ
辛さ悲しさ感情色々
滲んだインクの先に僕が透けていた

 「Lovers」 詞・曲:片岡健太

「悲しくなる理由を整理して、紙に書きだす」という行動自体はちょっと変わっているのですが(笑)、「滲んだインクの先に僕が透けていた」という言葉選びがいいなーと思います。結局、涙の理由は自分の弱さやプライド、相手を大切に思う気持ちなど、自分自身の心の中そのものだった、そういう気付きを「滲んだインクの先に僕が透けていた」と言い切るのは見事です。

sumika / Lovers【Music Video】 - YouTube

 

二人と一匹のストーリーには岩井俊二作品くらいの彩りは無く
開始1年で見るも無残に気が抜けちゃって

 「ソーダ」 詞・曲:片岡健太

恋人ともう付き合いたての関係には戻れず、気が抜けた関係になってしまったということを炭酸の抜けたソーダに例えています。「岩井俊二作品くらいの彩り」も面白い表現ですが、爽やかなイメージのあるソーダに切ない恋愛の終わりを重ねているからこそよりこの曲の魅力が増しているのではないでしょうか。

 

www.youtube.com

5. 2019年3月、NewAlbum『Chime』リリース!

大躍進中のsumikaですが、2019年3月13日に2枚目のフルアルバム『Chime』のリリースが発表されています。

また3月14日に日本武道館を皮切りに『Chime』のリリースツアーも決定しています。

 

■2019年3月13日(水)発売
2nd Full Album 『Chime』
【初回生産限定盤】CD+DVD / SRCL-11064~11065 / 3,800+tax
【通常盤】CD only / SRCL-11066 / 3,000+tax

■ライブ情報
sumika『Chime』 Release Tour
3月14日(木) 東京都・日本武道館
3月30日(土) 神奈川県・カルッツかわさき
4月06日(土) 香川県サンポートホール高松 大ホール
4月07日(日) 愛媛県松山市民会館
4月13日(土) 岩手県盛岡市民文化ホール
4月14日(日) 宮城県東京エレクトロンホール宮城
4月20日(土) 広島県上野学園ホール
4月21日(日) 広島県上野学園ホール
4月27日(土) 石川県・本多の森ホール
4月28日(日) 新潟県新潟県民会館
5月02日(木) 愛知県・名古屋国際会議場センチュリーホール
5月03日(金) 愛知県・名古屋国際会議場センチュリーホール
5月11日(土) 北海道・札幌文化芸術劇場 hitaru
5月12日(日) 北海道・音更町文化センター
5月19日(日) 千葉県・市川市文化会館
5月22日(水) 静岡県アクトシティ浜松 大ホール
5月25日(土) 鹿児島県・鹿児島県文化センター(宝山ホール)
5月26日(日) 福岡県・福岡サンパレスホテル&ホール
6月09日(日) 神奈川県・横浜アリーナ
6月30日(日) 大阪府大阪城ホール

 

絶対行きたいので、チケット頑張ってみます!!^^