【楽曲解説】話題沸騰中、King Gnu「白日」を歌詞からサウンド面まで徹底解説!

気がついたら前回の更新からだいぶ空いてしまいました。

最近はすっかり暖かくなり、花粉症に悩まされる毎日です(笑)。

4月からは春フェスの季節。音楽三昧の日々になりそうなので、また頑張って書いていきます!!

 

さて、今日は最近人気急上昇中のアーティストKing Gnu」について紹介します。直近Mステにも出演していたので、そこで初めて名前を知ったという方もいるでしょう。これからの春フェスにも積極的に出演する彼ら。今日はKing Gnuの魅力について、話題の新曲「白日」をテーマに解説していきます。この記事で予習して、皆でライブを楽しんじゃいましょう^^

 

1. そもそも、「King Gnu」っていったい誰?! 

まずは、「King Gnu」というアーティストについて紹介していきます。

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出典:http://kinggnu.jp/

 King Gnu

 東京藝術大学出身で独自の活動を展開するクリエイター常田大希が2015年にSrv.Vinciという名前で活動を開始。
その後、メンバーチェンジを経て、常田大希(Gt.Vo.)、勢喜遊(Drs.Sampler)、新井和輝(Ba.)、井口理(Vo.Key.)の4名体制へ。
SXSW2017、Japan Nite US Tour 2017出演。
2017年4月26日、バンド名をKing Gnuに改名し新たなスタートをきった。

 

出典:http://kinggnu.jp/biography/

 オフィシャルサイトにも記載がある通り、King Gnuは結成後約4年とまだ比較的若いバンドです。自分も2018年まで名前を知らなかったので、「J-POPシーンに突然新しいバンドが現れたな」という印象を受けました。実際にワンマンライブを初めて行ったのは2018年と直近(チケットは、即日ソールドアウト、、!)だったにも関わらず、ここまで一気に知名度が上昇し、多くの人に聴かれているのはすごいですね。

 

2019年に入り、メジャーデビュー、2ndアルバム「sympa」のリリース、そして初のドラマタイアップのシングルとなった「白日」のリリースなど立て続けにニュースが出て、メディアにも取り上げられることが多くなったKing Gnuですが、楽曲についても「中毒性があって何度でも聞きたくなる」というような称賛のコメントが多く集まっています。

 

ここからは、2/22に配信限定でリリースされたNewSingle「白日」を題材に、彼らの魅力を語っていきます!

 

King Gnu オフィシャルサイト

kinggnu.jp

 

2. 「白日」の歌詞の意味は? 

続いて、「白日」について、まずは歌詞の意味を見てみましょう!(その後、次のセクションで歌詞とサウンドの両面から、King Gnuのすごさを語ってみます)

 

King Gnu「白日」MV

www.youtube.com

 

King Gnu「白日」歌詞

白日

詞・曲 : 常田大希

 

時には誰かを

知らず知らずのうちに

傷つけてしまったり

失ったりして初めて

犯した罪を知る

 

戻れないよ、昔のようには

煌めいて見えたとしても

明日へと歩き出さなきゃ

雪が降り頻ろうとも

 

今の僕には

何ができるの?

何になれるの?

誰かのために生きるなら

正しいことばかり

言ってらんないよな

 

どこかの街で

また出逢えたら

僕の名前を

覚えていますか?

その頃にはきっと

春風が吹くだろう

 

真っ新に生まれ変わって

人生一から始めようが

へばりついて離れない

地続きの今を歩いているんだ

 

真っ白に全てさよなら

降りしきる雪よ

全てを包み込んでくれ

今日だけは

全てを隠してくれ

 

もう戻れないよ、昔のようには

羨んでしまったとしても

明日へと歩き出さなきゃ

雪が降り頻ろうとも

 

いつものように笑ってたんだ

分かり合えると思ってたんだ

曖昧なサインを見落として

途方のない間違い探し

 

季節を越えて

また出逢えたら

君の名前を

呼んでもいいかな

その頃にはきっと

春風が吹くだろう

 

真っ新に生まれ変わって

人生一から始めようが

首の皮一枚繋がった

如何しようも無い今を

生きていくんだ

 

真っ白に全てさよなら

降りしきる雪よ

今だけはこの心を凍らせてくれ

全てを忘れさせてくれよ

 

朝目覚めたら

どっかの誰かに

なってやしないかな

なれやしないよな

聞き流してくれ

 

忙しない日常の中で

歳だけを重ねた

その向こう側に

待ち受けるのは

天国か地獄か

 

いつだって人は鈍感だもの

わかりゃしないんだ肚の中

それでも愛し愛され

生きて行くのが定めと知って

 

後悔ばかりの人生だ

取り返しのつかない過ちの

一つや二つくらい

誰にでもあるよな

そんなんもんだろう

うんざりするよ

 

真っ新に生まれ変わって

人生一から始めようが

へばりついて離れない

地続きの今を歩いて行くんだ

 

真っ白に全てさようなら

降りしきる雪よ

全てを包み込んでくれ

今日だけは

全てを隠してくれ

 

 【1】1番Aメロ~1番サビ

時には誰かを

知らず知らずのうちに

傷つけてしまったり

失ったりして初めて

犯した罪を知る

 

戻れないよ、昔のようには

煌めいて見えたとしても

明日へと歩き出さなきゃ

雪が降り頻ろうとも

 

この曲のテーマになっているのは「罪」を犯した人間の感情です。

当たり前ですが、「罪」は犯されなければ「罪」として存在しないわけで、犯された罪はほとんどが犯してから後悔されるものになります。罪を犯す前に、人を傷つける可能性や失う可能性に気づければいいのに、それができない。かつ、起きてしまったことは不可逆で、元には戻れません。

絶望の中、吹雪で前が見えなくても、未来に向かって進むしかないのです。

 

今の僕には

何ができるの?

何になれるの?

誰かのために生きるなら

正しいことばかり

言ってらんないよな

 

どこかの街で

また出逢えたら

僕の名前を

覚えていますか?

その頃にはきっと

春風が吹くだろう

「今の僕には 何ができるの?」のフレーズで言及されている「今」は、罪を犯してしまった「今」ではないでしょうか。本来、誰かのために生きたいと思えば、何かを選ばなければいけない。それだけでまた別の誰かを傷つけてしまう可能性もあるはずです。

大きな罪を背負ってしまった自分には、これから誰かのために生きて、何かを選ぶということができるのか―「今の僕には 何ができるの?」は、そんな思いを表現しているのではないかと自分は解釈しました。

降りしきる雪というのは、自らの行く先が見えないことの比喩ではないかと思います。春になれば雪は止み、前向きに歩き出せるはずです。一体それはいつになるのか、そしてその時が来たら、君は僕を覚えていてくれるでしょうか。

 

真っ新に生まれ変わって

人生一から始めようが

へばりついて離れない

地続きの今を歩いているんだ

 

真っ白に全てさよなら

降りしきる雪よ

全てを包み込んでくれ

今日だけは

全てを隠してくれ

仮に、過去の罪をまっさらにして人生をリセットしようとしても、過去は今と地続きで決して切り離せないものです。今、行く先は雪が隠して見えないけれど、それであればこの降りしきる雪が、過去の罪も真っ白で覆い隠してくれればいいのに。そんな気持ちを歌っています。

 

 【2】2番Aメロ~2番サビ

もう戻れないよ、昔のようには

羨んでしまったとしても

明日へと歩き出さなきゃ

雪が降り頻ろうとも

 過去には戻れないのだから、先が見えないとしても、未来に向かって歩き出さないといけません。

 

いつものように笑ってたんだ

分かり合えると思ってたんだ

曖昧なサインを見落として

途方のない間違い探し

 

季節を越えて

また出逢えたら

君の名前を

呼んでもいいかな

その頃にはきっと

春風が吹くだろう

罪とも呼ぶべき出来事にも、実はそれを犯す前には曖昧なサインがあります。結果として罪を犯すのはそのサインを見落として、何も考えずに笑って「分かりあえるだろう」と甘く考えていた報いなのではないか。そんなことを、このフレーズは問いかけているように思います。

季節が冬から春になり、後悔から解放されたとき、また君に会えたら、自分から声を掛けることができるでしょうか。

 

 

真っ新に生まれ変わって

人生一から始めようが

首の皮一枚繋がった

如何しようも無い今を

生きていくんだ

 

真っ白に全てさよなら

降りしきる雪よ

今だけはこの心を凍らせてくれ

全てを忘れさせてくれよ

人生をリセットしても、結局は何とか首の皮一枚で今を生きていくだけです。降りしきる雪が心を凍らせてくれれば、考えることもできなくなり、過去の罪もすべて忘れられるのに。結局残酷なもので、人は犯した罪を悔い続けることしかできないのです。 

 

【3】2番Aメロ~2番サビ

朝目覚めたら

どっかの誰かに

なってやしないかな

なれやしないよな

聞き流してくれ

 

忙しない日常の中で

歳だけを重ねた

その向こう側に

待ち受けるのは

天国か地獄か

自分の過去が、今の自分を作っています。過去に囚われているこの自分を捨て、全く別の人間になれればいいけれど、そんなこともできないとわかっています。

毎日をあわただしく生きる中で、無為に時間だけを重ねて、最終的に待ち受けるのは天国か地獄か、どちらでしょうか。(そんなもの地獄だろう、ということを言っているのではないかと思います。)

 

いつだって人は鈍感だもの

わかりゃしないんだ肚の中

それでも愛し愛され

生きて行くのが定めと知って

 

後悔ばかりの人生だ

取り返しのつかない過ちの

一つや二つくらい

誰にでもあるよな

そんなんもんだろう

うんざりするよ

 人が何を考えているかなんて、腹の中はよくわかりません。ただ、人は他人のことを愛し、他人から愛されて生きていくものです。

後悔はその中で増えていく。誰しも、取り返しのつかない過ちを犯してしまうはずで、それが宿命だと思うと、人生というものに嫌気がさしてきます。

 

 【4】ラスサビ

真っ新に生まれ変わって

人生一から始めようが

へばりついて離れない

地続きの今を歩いて行くんだ

 

真っ白に全てさようなら

降りしきる雪よ

全てを包み込んでくれ

今日だけは

全てを隠してくれ

 繰り返しです。

 

この「白日」という曲は全体を通じて「罪」というものの存在と、それを背負って生きる人の宿命を歌い上げています。

「罪」は人が人として生き、人を愛し憎しむ中で生まれます。それは些細なすれ違いに端を発し、一度生まれてしまうと決して消すことができません。

罪という黒いものを、降りしきる雪という白で対比させて描いているのが非常に綺麗だなと思いました。MVが白と黒の二色から成り立っているのも、意図的だと思います。

 

3. 「白日」を聴くときに注目してほしい2つのこと 

さて、前置きが非常に長くなってしまいましたが(笑)、ここから個人的にKing Gnu「白日」がすごいと思ったポイントを書いてみたいと思います。一つは「一曲の中での展開」、もう一つは「メロディの美しさとキャッチ―さ」です。

 

 ①「一曲の中での展開」がすごい!

MVを聴いて頂くと分かりますが、「白日」はメロディの展開が一曲の中でも非常に多様です。冒頭はキーボードの優しいフレーズに井口の繊細なボーカルから始まり、ドラムの細かいリズムを加え、一転してギターに合わせて常田が歌い、サビに入ると二人の声が重なり…。最初に聴いたとき、この曲が最終的にどう収束するのだろうという想像を掻き立てられた方も多かったでしょう。

 

中でも特に圧巻なのは、歪んだ攻撃的なギターソロが終わって以降の演奏と歌詞でしょう。「朝目覚めたらどっかの誰かに なってやしないかな なれやしないよな 聞き流してくれよ」と一瞬弱気な本音を吐露したかと思えば、「天国か地獄か」というキラーワードとともに再び井口のボーカルとキーボードだけに戻り、「過ちの一つや二つくらい誰にでもあるよな」以降で、この曲最高潮に盛り上がります。

 

先ほども見てきたとおり、この曲では罪に囚われる人間の感情の起伏が歌われていますが、その不安定な心の中をここまで見事に演奏で表現しているのが、本当にすごいです。一人の人間の豹変ぶりや、錯乱状態を映像で脳裏に浮かばせられるのは、ひとえに彼らの演奏能力・作曲能力の高さですね、、、!

 

 ②「メロディの美しさとキャッチ―さ」がすごい!

①とも関連しますが、一曲の中で多様な顔を見せる「白日」は、「メロディの美しさとキャッチ―さ」を両方感じられる楽曲だと思います。

特に冒頭の「時には誰かを 知らず知らずのうちに 傷つけてしまったり」は井口の歌声が非常に壮大で美しい印象を与えていますし、サビについては思わず身体が動いてしまうようなノリやすいキャッチ―なメロディで作られています。

一曲の中にさまざまな印象が同居するというのが、曲のイメージをより複雑にし、中毒性を高めているのではないかと思います。最初に聴いたとき、2回目に聴いたとき、と徐々に印象を変えていくところが、「白日」の奥深さではないでしょうか。

 

4. 最後に

いかがだったでしょうか。人それぞれ、本当にいろいろな感想が生まれる楽曲だと思いますので、是非いろいろな部分に注目して聴いてみてほしいです!

 

春フェス~夏フェスにかけて、既に以下に出演が決まっていますので、今年はKing Gnuを見る機会がたくさんできそうですね!

 

《フェス出演情報》

◆2019年4月◆

4/28(Sun) ARABAKI ROCK FEST.19

4/29(Mon) FM802 30PARTY SPECIAL LIVE 紀陽銀行 presents REQUESTAGE 2019

◆2019年5月◆

5/4(Sat) VIVA LA ROCK 2019

5/11(Sat) FM802 30PARTY Rockin’Radio! -OSAKA JO YAON-

5/19(Sun) METROCK2019

5/25(Sat) GREENROOM FESTIVAL

◆2019年6月◆

6/1(Sat) ~6/2(Sun)  頂 -ITADAKI- 2019

5/31(Fri) ~6/2(Sun) 森、道、市場2019

◆2019年7月◆

7/20(Sat) ~7/21(Sun) NUMBER SHOT2019

◆2019年8月◆

8/16(Fri) ~8/17(Sat) RISING SUN ROCK FESTIVAL 2019 in EZO

8/18(Sun) SUMMER SONIC 2019

 

King Gnu ライブ情報

http://kinggnu.jp/live/

 

今後のリリースやライブ情報も、注目していきたいと思います。